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需給調整市場価格予測

背景​

蓄電池はスポット市場に加えて、一般送配電事業者が需給バランスを保つために調整力を調達する需給調整市場でも収益を得られます。入札には、Tensor Cloudがコマ毎に算出する最適な入札価格を使用します(入札価格を参照)。あわせて全てのエリアと調整力商品について約定価格を予測しますが、この予測は参考用で、入札には使用しません。

Tensor Cloudは毎日、次の対象について30分毎・14日間の価格予測を作成します。

  • 9つのエリア:北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州。
  • 6つの調整力商品:一次調整力(オンライン方式〈専用線〉およびオフライン方式〈簡易指令システム〉)、二次調整力①・②、三次調整力①・②。

各実行では、コマ毎に2つの出力を作成します。

  • 入札価格:期待収益が最大となる、そのコマで入札する最適な価格です。蓄電池最適化ではこの出力を使用します。
  • 価格の分位点:約定価格の見通しの9つの分位点(p10、p20、…、p90)で、参考用です。分位点の広がりが価格の不確実性を表します。

入札価格​

需給調整市場はマルチプライスオークションで、落札した入札はそれぞれの入札価格で約定します。高い価格で入札するほど落札時の収益は増えますが、落札できる頻度は下がります。Tensor Cloudは毎日、14日間の各コマについて、この両者のバランスを取り期待収益が最大となる入札価格を算出します。

蓄電池最適化では、一次調整力(オフライン枠)の入札価格を各コマの入札価格として使用します。

予測手法​

価格の分位点は参考用の予測で、蓄電池最適化では使用しません。スポット市場予測が学習済みの機械学習モデルを使用するのに対し、需給調整市場の予測は、直近の約定価格から直接構築する確率的な持続予測(パーシステンス)です。

調整力市場はスポット市場よりも新しく流動性も低く、その約定価格は各エリアの直近の価格水準に従います。このような状況では、直近の約定価格を将来に投影することでこの価格水準に沿った分位点が得られ、学習済みモデルが学習に使う短い価格履歴への過学習も避けられます。

予測は(エリア, 商品)の組み合わせごとに構築されます。

  1. 直近の約定価格を取得する。 需給調整市場は各30分コマについて、約定価格の最小・平均・最大を公表します。対象の組み合わせについて、これらの最小・平均・最大価格の履歴を読み込みます。
  2. 各日を分布に変換する。 ある時間帯について、直近の各日の最小・平均・最大価格が三角分布を定義します。分布の範囲は最小値から最大値までで、約定価格の平均を三角分布のピーク(最頻値)として用います。
  3. 直近の日にわたって混合する。 ある日の各コマについて、これらの三角分布を直前14日間の同一時間帯にわたって平均することで経験分布が得られ、そこからp10〜p90の分位点を読み取ります。14日全てでそのコマの約定価格が必要です。
  4. 予測期間全体に投影する。 全コマの値がそろう直近の日の分位点を、14日間の予測期間の各日に繰り返し適用します。予測価格が0を下回ることはありません。

予測は毎朝日本時間6:30頃に実行され、54のエリア・商品の組み合わせ全てを対象とします。各組み合わせは最大3回まで再試行し、全ての組み合わせが成功した場合にのみ結果を保存します。失敗した場合は、前回の予測がそのまま使用されます。

需給調整市場価格予測に関するよくある質問​

Q: これらの予測はどの市場・商品を対象としていますか?

A: 日本の需給調整市場で取引される6つの調整力商品全てを、9つのエリア全てについて対象としています。一次調整力(オンライン・オフライン)、二次調整力①・②、三次調整力①・②です。

Q: なぜ機械学習モデルではなく持続予測なのですか?

A: 調整力市場は価格履歴が短く流動性も低く、その価格は直近の約定水準に従います(予測手法を参照)。予測の品質は毎日モニタリングしており、明確な改善が見込める場合にはモデルベースの要素を追加します。

Q: 需給調整市場の価格予測にアクセスするにはどうすればよいですか?

A: Tensor Cloudの取引市場データ画面のEPRXタブで、各エリアの一次調整力(オフライン枠)の最低・平均・最高落札価格と、Tensor最適入札価格(上記の入札価格)を確認し、ダウンロードできます。価格の分位点は参考用で、画面には表示されません。需給調整市場の価格予測へのプログラムによるアクセスが必要な場合は、お問い合わせください。